介護未経験者に向けた転職の大事な教訓

介護職は、未経験でも転職しやすい業界です。ただ、未経験で介護業界に転職をする場合は、あらゆる点に注意しなければなりません。まず言えるのが、教育体制の部分。一般的に未経験者の募集をかける企業は、研修制度や勉強会などを設けているところがほとんどです。しかし、介護業界は人材不足の現場が多いこともあり、新人に研修を行わないケースがあります。その場合、先輩スタッフが指導役に付かないため、完全に「見て覚える」というスタンスを受け入れて業務を覚えていかなければなりません。未経験の当事者にとって、こういった施設は非常に苦労するため、事前の調査は入念に行うことが肝心です。施設のホームページで求人情報を見るだけでなく、見学をして質問をしたり、ネット上で口コミを探したりして現場の実情をリサーチしましょう。

次に、利用者の要介護度を確認することも大切です。施設にはいろいろな種類があり、各現場によって利用者の要介護度は異なります。たとえば、サービス付き高齢者向け住宅は高齢者の賃貸住宅という形なので、自立している方が多く入居しています。施設の中でも、介護業務の身体的な負担が少なめな印象です。一方、介護付き有料老人ホームは「介護付き」という名の通り、介護を必要とする利用者が中心です。寝たきりや認知症など要介護度が高い利用者が多い傾向にあり、身体的負担は大きいでしょう。介助は体力を使う作業なので、介助が多い現場は未経験者にはなかなかハードです。最初から無理はせず、まず要介護度が低い現場で経験を積んで、徐々に体力とスキルを身に付けていった方が良いかもしれません。

そして、夜勤の有無も見ておきたいポイントです。入居系の施設では介護職が24時間利用者を見守る必要があり、夜勤が発生します。夜勤は介護職の出勤人数が最も少ない時間帯であり、万が一トラブルがあった場合には迅速な判断と対応が求められます。そのため施設では、介護職の新人をすぐさま夜勤には入れず、慣れた頃にシフトインさせるケースが多いです。そんな責任重大な夜勤に不安を感じる方は、日勤のみのデイサービスを選択するといいでしょう。